00年に開催時期が2週繰り上がり,トライアルの日程も大幅に変更された(京都新聞杯は5月に移行)。条件は一定していないが,ここでは過去10年のデータからレース傾向を見てみたい。
1番人気は3連対で,2,3番人気もそれぞれ4連対。上位人気は不振傾向にある。94??00年までは馬連万馬券がなく比較的平穏に収まっていたが,ここ3年は連続で万馬券(昨年は馬単1万7080円)が飛び出している。
連対馬の前走はG2・18頭,オープン1頭,1000万条件1頭。10月に行われたここ4回の路線別は,トライアルであるG2の神戸新聞杯組(4連対)とセントライト記念組(2連対)が好相性を示している。出走間隔は2カ月ぶりのファストタテヤマを除くと,7頭は中1??4週のローテーション。9月か10月に一度はレースに出走していた。
連対20頭中14頭が春クラシックの経験馬。うち11頭が皐月賞かダービーのどちらかで4着以内に好走している。クラシックに出走した馬なら4着以内を目途としたい。
勝利数を見ると,1勝馬の連対はなく,2??5勝以上馬が各3,10,4,2連対。3勝馬が好成績を残している。関東馬は51頭で5連対。関西馬が117頭で15連対。関西馬が勝率,連対数,連対率で関東馬を大きくリードしている。なお,地方馬はベッスルキング(95年)が参戦したが8着に敗れた。
ダービー銀メダルのハーツクライにとって距離延長は大きなアドバンテージになる。前走神戸新聞杯はキングカメハメハをマークしレースを進めたが0秒4差3着。2着のケイアイガードにも0秒2遅れたが,勝ち馬に次ぐ上がり33秒台の切れ味見せた。京都外回りコースは,春に京都新聞杯でスズカマンボを鮮やかに差し切った舞台で,ダービー2着のうっぷんを晴らす。
相手はホオキパウェーブ。日本レコードで決着したセントライト記念でコスモバルクのクビ差2着。直線グイグイと伸びた末脚は次走に期待を持たせるものだった。長くいい脚を使えるだけに距離延長は臨むところ。重賞勝ちこそないがG2で2着2回。展開ひとつで首位争いになる。
スズカマンボは朝日チャレンジC(G3)で古馬を一蹴した。53キロの軽量もあったが,スローの流れに折り合い,直線で鋭い切れ味を見せた。春にハーツクライと4戦して全て敗れているが,着差は若葉Sがアタマ,皐月賞で0秒1,京都新聞杯は半馬身,ダービーを0秒5。実績は間違いなく3歳トップクラス。距離は未知数でもチャンスはある。
ケイアイガードはラジオたんぱ賞(G3)を勝ち,前走神戸新聞杯で2着。夏を挟んでメキメキと力をつけてきた。父デヒアは短距離で良積を残しているが,距離に関係なく折り合えるタイプで,3000Mもこなせそう。好位でレースを進められる器用さもあり,先行粘りこみが狙える。
ダービー3着のハイアーゲーム。前走オールカマー(G2)で古馬に挑んで4着。レースではトーセンダンディに逃げ切りを許したが,秋初戦,4カ月ぶりの実戦でいつもより精彩を欠いていた。今回はひとたたきされた上積みがあるはず。スタミナには自信があるだけに反撃があっても不思議はない。
コスモバルクは中央の芝で6戦して,重賞3勝を含めて4勝,皐月賞2着,ダービー8着と実績は最右翼。前走セントライト記念では向こう正面で先頭を奪うと,日本レコードのスピードで押し切った。かかる気性に不安は残るが,血統的にはこなしていいはず。逃げ馬不在,マイペースに持ち込める展開になれば,98年のセイウンスカイ以来の逃げ切り勝ちに期待が膨らむ。