96年に創設されて今年9年目を迎えた秋華賞。
過去8年,1??3番人気は4,4,2連対。上位人気はほめられた成績ではなく,代わりに7番人気以下から5頭が連に絡んでいる。伏兵馬の台頭で馬連は8回中4回で万馬券が飛び出す大荒れレースだが,ここ3年は3けた配当で堅く収まっている。
連対馬の前走はG1・2頭,G2・11頭,G3・1頭,1000万下(旧900万下)2頭。ステップはローズS(G2)組が10連対と他路線を圧倒している。その中でも1着馬は,2勝,2着2回,3着1回と抜けた信頼度を見せている。なお,00年に新設された関東のトライアル・紫苑S組はここまで連対馬を1頭も出していない。
00年のティコティコタックを除く15頭が重賞を経験。うち14頭に3着以内の実績があり,11頭が重賞ウイナーだった。99年に馬連9万馬券を演出した2頭にしても,前走で重賞3着入線を果たしている。秋の3歳牝馬を決める頂点レースだけに,重賞未経験馬や馬券対象になったことない馬の出番は少ない。
勝利数別では,1??5勝以上馬が0,3,6,3,4連対。1勝馬は苦戦中で,2勝馬の連対も99年の大波乱の2頭とローズバド。3勝馬以上が連対への理想となっている。出走間隔は中2??4週16頭と5カ月2頭。休養明けで連対を果たした2頭の前走はNKHマイルC(14着)とオークス(3着)。いずれもG1から直行馬だった。
スイープトウショウは2番人気の桜花賞(G1)で5着と敗れたが,距離不向きのオークスで2着に食い込み,能力の高さを改めてアピールした。前走ローズSは勝負どころから一気にまくって行き3着。早め先頭に立った分,直線の詰めが甘くなった。今回は春クラシックの原点に立ち返って脚をためる作戦。世代を引っ張ってきた力量馬の末脚がラスト1冠で爆発する。
ダンスインザムードはデビューから無傷の4連勝で桜花賞を制覇した。オークスでまさかの4着に敗れたが,米国遠征のアメリカンオークス(国際G1)で2着。帰国後は短期放牧などに出されながらここを目標に調整された。3カ月半ぶりの実戦となるが,力を出し切れば楽勝してもおかしくない。
アズマサンダースは,桜花賞でダンスインザムードにこそ離されたが2着は確保した。前走ローズSは好位2番手から追走。直線でもしぶとい粘りを見せたが,久々が応えたかゴール前で息切れし5着に敗れた。夏に充電し秋初戦で上々の滑り出しを見せた。春にかなわなかったG1の夢を果たせる底力は備えている。
トライアル・ローズSを制したレクレドールは,海外遠征などでも名をはせたあのステイゴールドの全妹。前走は後方待機で直線外から目の覚める強襲を見せた。展開がはまったにしても鮮やかな差し切りだった。目下3連勝。勢いに乗って一気にG1を奪取しても驚けない。
ヤマニンアラバスタは関東のトライアル・紫苑Sで1位に入線したが,無念の5着に降着となった。オークスで4コーナー14番手から直線馬群を割って3着に急追した末脚は間違いなく世代トップ級。関西への長距離輸送さえ克服すれば差はないはすだ。
ヤマニンシュクルは阪神ジュベナイルF(G1)を優勝し,桜花賞3着,オークス5着。夏の北海道のクイーンS(G3)で3着と敗れたが,古馬に初挑戦で0秒3差なら悲観する材料ではない。9戦して3勝,2着1回,3着4回,5着1回。牡馬との混合戦でも掲示板を外していない。“2歳女王”反撃を警戒したい。