90年にG1に昇格し,暮れの中山で10年間行われていたが,00年からこの時期に開催が繰り上がった。ここでは過去4年(02年は新潟)の成績を中心にレース傾向を見てみたい。
連対馬は16??1,4??3,1??3,5??1番人気の組み合わせで決まった。馬連は2万5700円,3000円,590円,940円。00年に16番人気馬ダイタクヤマトの優勝でドカンと荒れたが,その後は平穏傾向に向かっている。
ステップは4連対のセントウルS(G3)組がトップで,そこでの成績は7,1,3,2着。次いで安田記念(G1)組が2連対(14,1着)で続いている。連対馬8頭はすべて重賞を使って参戦。これは過去10年にさかのぼっても20頭全馬が当てはまる。前哨戦が重賞以外なら減点対象になる。出走間隔は,海外遠征のアグネスワールド(2カ月半)と安田記念(4カ月)から直行した2頭を除くと,5頭は8??9月に一度は出走し,そこで3着以内の成績を収めていた。なお,休養馬3頭はいずれもG1組だった。
年齢別は3??7歳上馬が6,14,15,13,6頭出走して,0,2,4,2,0連対。5歳馬が連対数,率で世代をリードしている。注目したいのは3歳馬の不振。12月施行時には連に絡んでいたが,開催時期が早まってからは5着にも入っていない。性別は牡馬37頭と牝馬17頭で争い5対3。連対数で牡馬,率で牝馬が優勢となっている。
関東馬は25頭出走して1勝,2着1回。関西馬が28頭で3勝,2着3回。関西馬が関東馬を圧倒している。また,外国馬は過去9年で9頭が参戦したが,95年の3着が最高。データ的には静観するのが正解か。
今開催の中山は芝状態が抜群で,ここまで重賞3戦はすべて逃げ切り勝ち。そこで,韋駄天の逃げ馬カルストンライトオに期待した。平坦向きで坂のある中山は苦手に見られているが,中山での過去2戦はマイルの朝日杯フューチュリティS(G1)とハナを奪えなかった昨年の当レース。今の馬場は先行馬がそう簡単に止まらない。アイビスサマーダッシュ(G3)を制したスピードがあればG1でも十分通じる。
相手はサニングデール。秋始動のセントウルS(G3)で59キロを背負って3着。速い上がりの決着の中,ただ1頭後方から末脚を伸ばしてきた。芝1200Mは高松宮記念(G1)を含めて重賞5勝の実績。春秋スプリント制覇の資質を十分に備えている。
スピード勝負ならシーイズトウショウにも出番はある。夏の函館スプリントS(G3)快勝後はここ一本に目標を絞って調整され,満を持して登場してきた。春の高松宮記念でサニングデールに0秒2差遅れを取ったが,地力を増した今なら上記2頭と差はないはずだ。
6か月ぶりでもデュランダルが怖い。高松宮記念はクビ差2着に敗れたが,末脚では勝ったサニングデールを上回る切れ味を見せた。中山1200Mは2戦2勝。久々で狙いを下げたが,展開がはまれば昨年の豪脚がさく裂する。
3歳時に高い評価を集めていたゴールデンキャスト。一時スランプに陥っていたが,小倉日経OP,前走のセントウルSを制して完全に復活した。先行力を生かして流れに乗れば上位に食い込むチャンスもある。
4カ月ぶりのセントウルSでキーンランドスワンは好位追走から2着に粘った。春はシルクロードS(G3)を勝ち,高松宮記念でも0秒2差3着に追い込んだ。たたいた上積みの見込めるここは連下には是非押さえておきたい。