かつては「速い馬が勝つ」と言われ,仕上がり早のスピードタイプが活躍していた。しかし,最近は連対馬がダービーや菊花賞でも連に絡むケースが多く,実力がないと上位に入線することができない。
過去10年,1番人気は5連対では信頼に足りる成績とは言えず,2,3番人気も各3連対と低調。上位人気馬は不振で,代わりに6番人気以下から6頭が連対している。
馬連は97年と02年に人気薄馬同士のワンツーで5万馬券が出たが,7回は3000円以内。荒れると極端だが,基本的には平穏に収まる傾向にある。
ステップは東西のトライアル組が連対20頭中17頭を占めている。その内訳は,弥生賞(G2)組(前走時3,2,3,2,1,3着)と若葉S組(1,5,2,4,1,7着)がそれぞれ6連対し,次いでスプリングS(G2)組(1,7,1,1,2着)5連対で続いている。該当しない3頭は毎日杯(G3・1着),アーリントンC(G3・1着),500万条件(1着)。前哨戦で掲示板を外して巻き返したのは2頭と少なく,前走5着以内が連対への目安となっている。
キャリアは連対馬19頭までが3??8戦の範囲で,94年のナリタブライアンだけが9戦。キャリア10戦以上の馬は無条件に切り捨てたい。勝ち数別はここまで1勝馬の連対は1頭もなく,2??4勝上馬が101,48,10頭出走して8,8,4連対。勝利数に比例して連対率も高くなっている。関西馬が7勝,関東馬3勝。勝ち数で関西馬が大きくリードし,連対数でも13対7と関東馬を圧倒している。
早々に逃げ宣言したマイネルマクロスが絶好の1番枠。ハナに立ちたいメイショウボーラーとの先行争いで,ハイペースは避けられそうにない。展開は差し,追い込み馬に有利と見てキョウワスプレンダの末脚で勝負する。スプリングSは後方で折り合い,4コーナー最後方から強襲し2着に食い込んだ。2歳時は前評判ほどの活躍ができなかったが,前走3カ月ぶりで人気ブラックタイドと1馬身差。期待馬の素質がようやく開花,本番に間に合った。8キロ増のトライアルを叩いて大幅に良化の見込める今回は絶好の狙い目だ。
強敵はブラックタイド。スプリングSは先行馬が一転,後方待機で一気に差し切る競馬を見せた。長く良い脚を使った前走で,改めて能力の高さを示した。まだ完成途上だが,素質開花を思わせる強い競馬。本命馬と互角の能力を持っている。
コスモサンビームは前走2コーナーで他馬と接触する不利があったが,0秒5差5着に踏み留まった。京王杯2歳S(G2)をレコードで制し,ハイペースの朝日杯FS(G1)を差し切った2歳チャンピオン。今回は叩き2戦目の上積みが見込め,G1勝ちのバルジューとのコンビも復活。上位2頭に割って入れるチャンスはある。
ホッカイドウ競馬所属で,地方馬初のクラシック制覇を目指すコスモバルクはJRA初出走でレコードV。その後も重賞2連覇で,3戦無敗の堂々の成績を誇っている。ただ,地方馬が皐月賞へ出走するには「弥生賞3着以内」が絶対条件。つまり,前走の弥生賞がピークのデキで上がり目は望み薄ということになる。しかも今回はこれまで以上にマークが厳しくなる展開で,行きたい馬も多くスローペースにはならない。さらに門別からの直前輸送で参戦とクリアーすべきハードルも多い。強さを認めてもここは抑え評価にしたい。
間隔は開いたがマイネルブルックの底力も侮れない。きさらぎ賞ではブラックタイドをピッタリとマークし,直線内から渋太く伸びて差し切った。良馬場のスピード決着になれば勝負強さと決め手を生かせる。
若葉Sを差し切ったハーツクライ。前走は内で折り合いジワジワと進出して,直線大外に回して叩き合いを制した。勝ちタイムは毎日杯よりも1秒速かったが,長く良い脚を使うタイプだけに,中山コースは減点材料。多頭数で揉まれたときの不安もぬぐいきれない。