秋G1シリーズ第4弾は第130回を迎える伝統の天皇賞(秋)。キングカメハメハの引退でレースは混戦模様となったが,馬券的にはがぜん面白くなった。
過去10年,1??3番人気は4,4,3連対。上位人気はほめれる成績ではないが,連対馬20頭中17頭までを5番人気以内が占めている。98,99年と馬連で万馬券が出ているが,7回は2000台円以内。伏兵馬の出番は少ない。
連対馬の前走はすべて重賞戦。路線別では毎日王冠(G2)組と京都大賞典(G2)組が6連対で並んでいる。ただ,毎日王冠組は94??97年の4年に連対馬が集中しているのに対し,京都大賞典組は98年以降で6連対。近年,活躍を見せている京都大賞典組を中心と見ていいだろう。なお,昨年は宝塚記念(G1)から直行した2頭が1,2着を独占した。
出走間隔は中2週が13頭,中4??5週3頭,2カ月と4カ月各2頭。休養馬4頭は,札幌記念(G2・1着),新潟記念(G3・1着),宝塚記念(2着,5着)。前走で掲示板を確保していることが連対への条件となっている。
年齢別は3??7歳上馬が9,58,52,25,13頭出走して,それぞれ3,10,5,1,1連対。6歳以上の高齢馬は苦戦し,連対数で4歳馬,率で3歳馬が抜けている。
ゼンノロブロイが悲願のG1を達成する。昨年の菊花賞(G1)は勝負どころで前が詰まり,直線脚を余して4着。今年も天皇賞(春・G1)2着,宝塚記念4着とあと一歩のところでビッグタイトルに手が届かなかった。前走京都大賞典では2着と詰めの甘さを見せたが,今回はダービー2着の東京コースで,神戸新聞杯(G2)を圧勝した2000M戦。悲願のG1奪取の条件は整った。
相手はシルクフェイマス。春のG1・2戦で天皇賞3着,宝塚記念2着。昨年から今年2月までの5連勝がフロックでないことを証明した。2000Mは昨年以来になるが,全8勝中3勝を挙げている。かかる心配のない中距離戦なら積極的な競馬に持ち込める。
ローエングリンは毎日王冠で逃げてゴール寸前まで粘り2着を確保した。1ハロン距離延長と目標になる不利で人気を落としているが,G1では再三好走を見せている。ここも同型馬不在で楽々とハナを奪えるはず。今週から仮柵を移動して使用するBコースもスピードの後押しをする。
京都大賞典を差し切ったナリタセンチュリー。大舞台の経験の少ない騎手と距離が嫌われてか,人気はいまいち。相性抜群の前哨戦の勝者で5カ月ぶりをたたかれての上積みも確実。首位争いに食い込む能力を十分秘めている。なお,勝てば父の田島日出男・元騎手(73年・タニノチカラ)との父子制覇の快挙となる。
テレグノシスの取捨が微妙。毎日王冠は1000M通過59秒7。決して速いといえないペースの中,4コーナー最後方から直線10頭をごぼう抜き。強い競馬でG2をもぎ取った。前走のレースからは1ハロン距離延長に問題はなさそうだが,東京の2000Mは日本一タフなコース。勝ち星が1800Mまででは抑えの評価が妥当か。
バランスオブゲームは,昨年毎日王冠をレコード勝ちしてマイルCS(G1)4着。今年は札幌記念2着から盾取りに照準を合わせた。毎日王冠パスは予定の行動。G1は8回目の挑戦だが,混戦ムードの今年なら大駆けがあってもおかしくない。