注目は4戦4勝で樫の女王に挑むダンスインザムード。桜花賞に続いて1番人気を背負うことは確実。優勝すれば1957年のミスオンワード(7戦7勝)以来47年ぶり,史上2頭目の無敗2冠が誕生する。また,姉ダンスパートナーもオークスを制覇しており,勝てば史上初の同一クラシック姉妹制覇の偉業達成となる。果たして,新ヒロインの誕生はなるのか。過去10年のデータを参照してレース傾向を見てみたい。
1番人気は2勝,2着1回と不振で,2,3番人気も4,1連対。上位人気は散々の成績で信頼度は低い。馬連が上位3番人気の組み合わせで決着したことはなく,3けた配当も一度も出ていない。一方,2けた人気馬3頭を含める6番人気以下の人気薄馬が6頭も連に絡んで,万馬券が3回飛び出している。「1番人気の勝率は2割」は,ダンスインザムードにとって気になるデータだ。
桜花賞からの直行馬が13連対とG1の貫禄を見せて,忘れな草賞とフローラS(G2)が3連対で続いている。桜花賞組の前走成績は1??12着。前哨戦の着順に関係なく巻き返しているが,別路線組は3着以内が連対への条件になっている。
勝利数は連対馬の90%(18頭)が2勝以上。1勝馬の連対はダンスパートナーとエアデジャヴーだが,2頭は桜花賞で2,3着の実力馬だった。2勝馬は9連対,3勝馬8連対,4勝以上1連対となっている。
関東馬は4勝2着2回,関西馬が6勝2着8回。関西馬が関東馬を圧倒し,3着10頭もすべて関西馬で占めている。
アズマサンダースの末脚にかける。桜花賞は好位追走から直線追い込んで2着。瞬発力でダンスインザムードに劣ったが,素質と能力の高さは十分見せつけた。距離延びて決め手を発揮できるタイプ。直線の長い東京なら逆転できる。
ダンスインザムードは,前年の3冠馬を上回るレコードタイムで1冠をもぎ取った。ダービー出走を検討していたが,確勝を期してここに参戦してきた。血統から距離延長に問題はないが,不安材料もある。前走マイルで繰り出したあの豪脚を2400Mで再び使えるかどうか。また,今回は17頭に徹底的にマークされる厳しい立場。あっさり勝たれても仕方ないが,馬券的な妙味も薄いここは2番手評価とした。
直線の長い府中でヤマニンシュクルが巻き返しを狙う。桜花賞は直線で良い脚を見せたが,ペースが落ち着いて先行有利の流れ。前の馬にあの脚を使われては仕方がない結果か。昨年の2歳女王でマイル1勝,1800M戦で2勝の実績。世代トップの地力を秘めていることは間違いない。
能力ならスイープトウショウも互角。桜花賞はスタートで後手に回るアクシデント。内の4番枠で思うように動けなかったが,直線後方から追い込んで0秒9差なら悪くない成績。相変わらずゲート入りとスタートに課題は残るが,大駆けしても驚けない素質を秘めている。
ギミーシェルターは,桜花賞で14キロ減っていた馬体が前走で12キロ戻った。長くいい脚を使える馬で府中コースでは2,1,2着。大幅馬体減の桜花賞でも末脚鋭く伸びたように,地力は間違いなく一級品。祖母はオークス馬で,全兄ペインテドブラックは青葉賞(G2),ステイヤーズS(G2)を勝っている。血統的な魅力な裏付けも十分ある。
グローリアスデイズはフローラS2着で本番への切符をガッチリと手にした。前走は好位の外で流れに乗って直線ジワジワと差を詰め,ゴール前はハナ差まで追い詰めた。スタミナ勝負の東京コースへの適正は高い。