3歳馬のマイル王決定戦。多彩な路線から有力馬が結集し,ハイレベルの混戦模様となった。
過去8年,連対馬の組み合わせは4??2,1??2,1??6,6??2,2??5,1??13,4??5,9??5番人気の組み合わせで決まった。1番人気は3勝を挙げているが,残る5回は14,10,3,3,11着。勝つか惨敗かの両極端の成績となっている。00年までは1,2番人気のどちらかが連に絡み,馬連は3000円以内。比較的平穏に収まっていたが,ここ3年は6880円,4830円,1万7520円と荒れており,波乱傾向を示している。
連対馬の前走は重賞14頭,オープンと500万条件が各1頭。そこでの成績は重賞組は1??14着で着順に関係なく巻き返しているが,その他の組は1着が連対の条件になっている。路線別は8連対のニュージーランドT(G2)組がトップで,3連対の毎日杯(G3)組が続いている。
優勝馬8頭中6頭にマイル戦(ダートを含む)の勝ち星があり,残る2頭は2000M戦で勝ち鞍があった。また,2着馬も6頭がマイル戦で1着,該当しない2頭にも1600M以上で連に絡んでいた。つまり,芝,ダートを問わず1600M以上で連対していることが絶対条件になっている。
外国産馬78頭と内国産馬65頭で争い13対3。外国産馬は創設から6年連続で連を独占。勝率,連対率で内国産馬を圧倒して,一時期は“外国産馬の天下”と言われていたが,ここ2年は内国産馬が2勝,2着1回。外国産馬がクラシックに参戦できるようになったことで,「強い外国産馬」が当レースを回避する傾向にあるようだ。
関東馬は70頭で5勝,2着5回。関西馬が72頭で,3勝2着3回。関西馬優勢の“西高東低”の中で,関東馬が活躍している数少ないG1レースとなっている。
キングカメハメハで勝負する。過去5戦4勝で,唯一3着に敗れた京成杯(G3)以外は,後続を寄せ付けない強い競馬。特に前走は直線の追い比べでシェルゲームを競り落とし,豪快な伸びで連勝した。毎日杯を制覇しても皐月賞(G1)はパスして,「NHKマイルCからダービー」を目指すが,まずは1冠獲りに王手だ。
強敵は2歳チャンピオンのコスモサンビーム。スプリングS(G2)5着,皐月賞4着の中距離戦の敗退で,ダービーからマイル戦線に路線変更した。朝日杯フューチュリティSと同距離1600M。距離短縮は歓迎で,東京コースは京王杯2歳S(G2)をレコードで制した舞台。復活ののろしを上げるには十分だ。
単穴にシーキングザダイヤを推す。アーリントンC(G3),ニュージーランドTとマイル重賞を圧倒的な内容で連勝。スピードだけではなく,非凡な勝負根性も兼備している。強敵がそろったが,偉大な母シーキングザパールに続く母子制覇の可能性は高い。
メイショウボーラーは朝日杯フューチュリティS2着,皐月賞3着。前走も不安視された2000M戦を絶妙のペースで逃げて馬券対象圏内に踏みとどまった。上位2頭の決め手にこそ屈したが,改めて潜在能力の高さをアピールした。2ハロン距離短縮なら侮れない。
3戦3勝のタイキバカラも気になるが,1400Mまでの距離経験に大きな不安が残る。ならば,東京コース替わりでムーンシャインの大駆けが期待できる。同舞台の前々走で直線馬群を割って差し切った。勝ちタイムは目立たないが,決め手の鋭さは際立っていた。ハミがかからず7着に敗れた前走ニュージーランドTを度外視して狙ってみたい。
穴を出せばハートランドカフェ。前走芝1600Mの勝ちタイム1分33秒5は,前日のニュージーランドTと同タイム。500万条件の勝ちでも潜在能力は高い。逃げ馬だけにモロさと強さが同居しているが,展開次第でアッと言わせるシーンがあっても驚けない。