別名「残念ダービー」と呼ばれ,かってはダービーで負けた馬たちの巻き返しの舞台として注目を集めていた。ただ最近は同レースからの参戦が減り,この2年は出走馬はゼロ。代わりに春のクラシック戦線に間に合わなかった馬たちが参集する傾向を見せている。以前に比べるとレースの性格が変わりつつあるようだが,ここでは過去10年(96年中山,00年は東京競馬)のデータを参照に傾向を探ってみたい。
1??3番人気は2,3,3連対と不振。上位人気馬の信頼度は低く,6番人気以下から5頭が連に絡んでいる。馬連は00,01年と万馬券決着となり,この2年も6210円,4860円。高配当の連続で難解な一戦となっている。
路線別はG1のダービーとNHKマイルCから3,2連対しているが,強調する材料ではない。むしろ注目したいのは前走着順。ダービー組は3,取消,6,10着で,NHKマイルC組が15,15着。また,残る14頭は1着10頭,2着3頭と4着1頭。G1組は前走の着順に関係なく巻き返しているが,ほかの路線からの参戦馬は前哨戦で1,2着していることが連対への条件となっている。前走ダートをステップに連対した馬はなく,1600M以下から連に絡んだ馬もいない。なお,牝馬は17頭出走して1連対。ここまでは苦戦している。
ケイアイガードの末脚にかける。中京の白百合Sは好位5番手で折り合い,楽な手応えで4コーナーへ。直線を向くとレース最速の上がりで後続を3馬身半突き放した。前々走のプリンシパルSでも33秒台の決め手を見せた。小回り向きの機動力も備えている。初重賞Vで秋へ弾みをつける。
出遅れたデビュー戦でハットトリックは後続を2馬身ちぎって圧勝した。前走牡丹賞は後方で脚をため,直線32秒台の上がりをマークして連勝。2歳の春に骨折して新馬デビューが遅れ,NHKマイルC前日の5月8日が初勝利。キャリアは浅いが,遅れて来たSS産駒の大器が3連勝で重賞制覇しても驚けない。
デビューから2連勝を飾った素質馬ムーンシャイン。3戦目のニュージーランドT(G2)7着,前走NHKマイルCで8着に敗れたが,メンバー中唯一のG1経験馬。強敵相手にもまれてきた経験を生かせばチャンスはある。
カンパニーは前走ベンジャミンSで好位追走から直線鮮やかに抜け出した。4戦3勝と素質では見劣りもなく,ひと息入った分連下の評価にしたが,あっさり勝たれても驚けない。
初芝の前走でマイルを好時計で勝ち上がったシルクディレクター。父内国産の限定戦とはいえ中団からいい脚を見せた。今回はメンバーが一気に強化するが,福島はダートで経験済みで距離延長にも不安はない。
コンドルクエストは骨折から休養明けで3戦し,6,8,6着。苦戦が続いているが相手も骨っぽかった。今度は昨年秋にレコードで圧勝した福島が舞台。勝つまでは厳しくても2着に食い込む地力は備えている。