アドマイヤマーズ
好調教を連発し、デビュー前から大変な評判になっていた。その割に新馬戦はハナ差勝ちと苦戦したが、相手が後にG3新潟2歳Sを勝ったケイデンスコールならば納得。
続くオープン中京2歳Sで、デビュー前の大評判を証明する。直線で外から進出すると、一頭だけ桁外れの末脚で他馬を圧倒。エイシンゾーンを瞬く間に突き放し、3馬身差をつける楽勝で評価を大きく上げた。
今回は中京2歳S以来のレース。目標は次のG1朝日杯FSのため100%の仕上げではないだろうが、なにせ能力が段違い。強力なライバルは不在で、8〜9分程度の仕上げでも勝ち負け必至だ。
ダノンジャスティス
父キングマンは欧州のG1を4勝するなど8戦7勝の快速馬。母のマンビアも欧州でG3勝ち。このような血統背景もあり、セレクトセールでは1億円近い高額で落札されている。
デビューは8月19日の新潟芝1400m戦。中団で折り合いをつけ、直線外に持ち出されると、鮮やかな末脚で差し切り。上り2F11秒3-11秒2の高速加速ラップを外から差すのだから、この馬自身は1F10秒台を記録しているかもしれない。
その後も順調で、1週前のCW調教ではG1馬ダノンプレミアムとともに調教。相手が無理をしなかったとはいえ、先着したことは胸を張りたい。スピード色が強くマイルの距離が微妙も、これをクリアすれば勝機もある。
ドナウデルタ
母のドナウブルーは重賞を2勝し、ヴィクトリアマイル2着、マイルCS3着とG1でも好走。そしてドナウブルーの全妹には、G1を7勝した名牝ジェンティルドンナがいる。
9月9日の阪神芝1400mの新馬戦は2着も、終いの脚が目を引き、次戦へ期待が高まった。その2戦目は中団から力強く伸びると、逃げたキコクイーンを並ぶ間もなく交わし快勝。重馬場の上り35秒4は、2位の上りタイムを0.7秒も上回るもので、この馬の末脚が抜けていたことが時計からも分かる。
デビュー2戦は緩い馬場だったが、血統的には良馬場でこそ真価を発揮する馬。馬場が良ければ、近2戦以上の脚を見せてくれるだろう。
ハッピーアワー
新馬戦は、次戦でオープン特別を勝つシングルアップを相手に2着。2戦目はクビ差2着と惜しい競馬が続いていたが、3戦目の未勝利戦で初勝利。この時の2着イッツクールは、後にオープンききょうSを勝つのだから、中身も濃いレースだった。
ここから2か月間隔を開け、オープンすずらん賞に出走。先行馬が潰れ、差し馬勢の争いとなったが、この差し比べで1番人気のパイロテクニクスを半馬身抑え、2連勝としている。
前走の1200mから1600mへと今回は2F距離が延びるが、父はハービンジャー、母は中距離で特別を勝っており、むしろ距離延長がプラスに出る可能性もある。
ヤマニンマヒア
新馬戦は3着だったが、勝ち馬はオープン中京2歳Sを勝ち、今回のデイリー杯2歳Sで最有力と見らているアドマイヤマーズ、2着が次戦でG3新潟2歳Sを勝ったケイデンスコールなので、内容は悪くない。
この価値を証明するように続く未勝利戦は、小倉芝1800m1分46秒9のレコードタイムで勝っている。この一戦が評価され500万紫菊賞は2番人気。しかし序盤から折り合いを欠くと、最後はガス欠かシンガリ負けと不本意な競馬になってしまった。
そこから2Fの距離短縮は、折り合いを考えると良い方向に向かう可能性もある。前走シンガリでも見限れない。