81年に創設されて今年29回目を迎える。当初は外国馬が強く,日本馬は苦戦していたが,ここ10年では8勝2敗と日本馬優勢の傾向にある。とはいえ,通算成績で14勝14敗とようやく五分の星に追い付いた。
今年,外国馬は5頭出走するが,注目は英国のG1レース4勝馬コンデュイット。昨年,今年とブリーダーズカップターフ(米G1)を連勝し,7月にはキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1)を制覇している。久々の大物参戦で盛り上がる国際招待レース。過去10年のデータでレース傾向を見てみたい。
連対馬は2-12,1-5,2-1,9-11,4-5,1-2,3-2,1-5,5-4,9-1番人気の組み合わせで決着した(02年は中山競馬)。1番人気は5連対とほめられる成績ではなく,2,3番人気も4,1連対と不振。代わりに人気薄の9番人気以下から4頭が連対している。
馬連配当は3けた〜3000円台6回,7000円台2回,2万馬券2回。99年と02年に2けた人気の伏兵馬が,万馬券決着の片棒を担いでいる。
路線別は天皇賞(秋)組9連対,菊花賞組4連対,凱旋門賞組2連対。天皇賞(秋)組が他路線を大きくリードしている。
外国馬は9カ国から56頭が参戦し,2勝2着2回(連対率7%)。日本馬は103頭が出走して,8勝2着8回(同16%)。この10年は日本馬が外国馬を寄せ付けない強さを見せている。
年齢別は3〜7歳以上馬が5,9,3,3,0連対。連対率はそれぞれ13,20,8,14,0%。連対数,率で4歳馬が他世代を一歩リードしている。
性別は牡馬が136頭出走して20連対,牝馬は23頭で連対なし。牝馬は95〜98年に4年連続で2着を確保したこともあったが,この10年では06,08年の3着が最高成績となっている。
◎…リーチザクラウンは1番人気に支持された菊花賞で0秒4差の5着。マイペースの楽な逃げに見えたが,「リキんで走っていたし,距離も少し長かった」と武豊騎手が敗因を語った。実績では見劣るが,東京コースはダービーで2着に粘った相性の良い舞台。距離短縮を味方にリラックスして走れれば,念願のG1奪取も夢ではない。
○…スクリーンヒーローは天皇賞・秋で0秒3差の2着。4カ月ぶり,プラス12キロの馬体でウオッカ(3着)に先着した。今年前半は精彩を欠いたが,東京の2400〜2500Mは2,1,1着。得意の長距離戦なら,連覇を成し遂げるチャンスも十分にある。
▲…前走の天皇賞・秋でオウケンブルースリは出遅れ,直線でも前が壁になるシーンもあったが,4着に健闘した。昨年の当レースは5着止まりだったが,古馬になって地力アップ。距離2ハロン延長を味方に,京都大賞典で見せた豪快な差し切りを再現する。
△1…前走の天皇賞・秋でウオッカは,32秒9の決め手を駆使しながら0秒3差の3着。位置取りの差というよりも,流れに乗れず敗退した印象が強い。ジャパンCは3度目の挑戦となるが,名手・ルメール騎手とコンビが楽しみ。
△2…レッドディザイアはオークスでブエナビスタの末脚に屈したとはいえ,ハナ差の2着。東京コースの適性は相当高い。今年の3歳牝馬はウオッカ世代に匹敵する強さといわれている。その中で3勝2着3回のパーフェクト連対は価値があり,斤量53キロも魅力だ。
△3…コンデュイットはブリーダーズCターフ連覇を含めG1レース4勝の世界屈指の強豪馬。しかし,10月に凱旋門賞(仏国),今月,ブリーダーズCターフ(米国)に参戦して,ジャパンC出走の過密スケジュール。輸送疲れの不安があり,連下の評価とした。